マッチプレーとは
マッチプレーとは、相手と直接対決し勝敗を決定するゴルフのプレー方法のことです。
スコアを競うストロークプレーと比較して、下記のような違いがあります。
項目 | ストロークプレー | マッチプレー |
---|---|---|
決定方法 | トータルスコア | 1ホール毎の勝敗の積み重ね |
競技相手 | フィールド全員 | 相手のみ |
OKパット・コンシード | なし | あり |
ギブアップ | なし | あり |
罰則 | 1打罰、2打罰、失格 | 1打罰、2打罰、そのホールの負け、失格 |
マッチプレーの用語
UP・DOWN(アップ・ダウン)
現時点で何ホールリードがあるか、あるいは何ホールビハインドがあるかを「〇UP」「×DOWN」といいます。
例えば、3ホール消化して1ホール勝利、2ホール引き分けの場合は 1UP となります。
2ホール敗北、1ホール勝利のときは 1DOWN となります。
A.S.(オールスクエア)
現時点で引き分けの状態のことを「A.S.(オールスクエア)」といいます。
〇&×(アンド)
マッチプレーでは18ホールを消化することなく勝敗が決定することがあります。それはアップ数が残りホール数を上回ったときです。
その際に、「アップ数&残りホール数」という表現で勝敗を表します。
例えば、2ホールを残し3アップして勝敗が決定した場合は、3&2となります。
また、最終ホールで勝敗が決定した場合は&を用いずに、シンプルに「1UP」などと表現します。
数字が大きければ大きいほど大差となります。ストレート勝ちの場合「10&8」となります。
ドーミーホール
そのホールを引き分けた場合に勝敗が決定する状況・ホールを指します。
つまり、負けている方はそのホールで勝利しないと自分の敗北が決定してしまう状況・ホールを指します。
例えば、Aさんが2UPで残り2ホールの場合、そのホールが引き分けとなった場合、「2&1」で勝敗が決定します。
このような状況下では残り2ホールの時点、つまり17番目のホールがドーミーホールとなります。
アップドーミー
リードしている方がそのホールを制すると勝敗が決定する状況・ホールを指します。
負けている方にとっては、そのホールを落とすと自分の敗北が決定してしまう状況・ホールを指します。
アップドーミーを引き分けた場合は次のホールがドーミーホールとなります。
例えば、Aさんが2UPで残り3ホールの場合、そのホールをAさんが勝利すると「3&2」で勝敗が決定します。そのため、この状況はアップドーミーであると言えます。
そのホールを引き分けた場合、2UPで残り2ホールとなるので次のホールがドーミーホールとなります。
マッチプレーのルール
マッチプレーのストロークプレーとは異なる特殊なルールを解説します。
そのホールの負け(罰則)
ストロークプレーでは2打罰になる状況が、マッチプレーではそのホールの負けというペナルティーが科されることがあります。
尚、OBやハザード・アンプレヤブルなどの救済を受ける場合は、ストロークプレーと同様の罰則になります。
そのホールの負けになる例:
内容 | 説明 |
---|---|
誤球 | 自分の球ではない球を誤って打つ |
誤所からのプレー | 救済時に誤った箇所から打つ、ティーイングエリアを間違えるなど |
練習ストローク | ホールアウト前に練習ストロークを行う |
プレーに係るアドバイス | プレーのアドバイスを認められていない第三者から受ける |
ギブアップ
ホールアウトすることなく、相手にそのホールの勝利を譲ることができます。
例えば、自分が6打目のパットを外して、相手は2メートルの4打目のパットを控えている場合、相手が2メートルから4パット以上しないと引き分けになりません。
そのような状況下で、自分の負けを認めギブアップすることが可能です。
プレー時間の短縮や無駄なストロークをしなくて済むといったメリットがあります。
OKパット・コンシード
相手が非常に短い距離のパットが残ったとき、OKと宣言すると相手のそのホールのスコアを確定させることができます。
50cm程の絶対に入るパットを打つ手間を省くことができます。
OKパットのことをコンシードということもあります。
必ずホールから遠い順に打つ
打つ順番は必ずホールから遠い順になります。
お先パットや近い人が先に打つことは基本的にあり得ません。
もし、相手がボールを探していてスロープレー防止のために例外的に近くの人が先に打つ場合、相手に一声掛けてから打たなければなりません。
もし近い人が先に打った場合、相手から打ち直しを求められた場合は打ち直さなければなりません。
(マッチプレーでは順番を間違えた場合、相手はそのストロークを取り消すことができる(規則6.4a))
ダブルスの場合、遠いチームから打つ
ダブルスの場合、ホールから遠い順ではなくホールから遠いチームから打ちます。
例えば、バーディーパットの内側に同チームのパーパットがある場合、内側のパーパットを先に打ちバーディーパットを控えている味方にラインを見せることができます。
勝敗決定後の練習が認められる
試合にもよると思いますが、ホールの勝敗が決まった後に練習を行うことができます。
例えば、自分が3メートルのパットを残している状態で相手がギブアップした場合、残っている3メートルのパットを打たないことも、練習のために打つこともできます。
※スロープレー防止のため勝敗決定後の練習を禁止している場合もあります。
マッチプレーを採用している試合
ほとんどの競技はストロークプレーで行われますが、稀にマッチプレーで開催される競技があります。
ライダーカップ
アメリカとヨーロッパ出身のそれぞれの代表選手が戦う団体戦です。2年に1回行われています。
3日間で様々な形式で対戦が行われ、最終的な獲得ポイント数で勝敗を決定します。
プレジデンツカップ
アメリカとヨーロッパ以外の出身のそれぞれの代表選手が戦う団体戦です。
2年に1回、ライダーカップが行われない年に開催されています。
日本プロゴルフマッチプレー選手権 ※過去
1975年-2003年に開催されていた日本ツアーのメジャー大会の1つです。4日間競技で32人のトーナメント形式で行われていました。
日本アマチュアゴルフ選手権 ※過去
男子アマチュア日本一を決定する、日本ゴルフ協会主催のアマチュア最高峰の試合です。第1回開催はは1907年で100年以上の歴史を持ちます。
2000年-2015年は5日間競技で開催されました。前半2日間はストロークプレー32ホールで上位32人を決定し、後半3日間でマッチプレーによるトーナメント方式で優勝者を決定しました。
2016年以降は4日間72ホールのストロークプレーとなっています。
大学男子秋季リーグ(関東・関西)
関東男子秋季リーグと関西男子秋季1部リーグはマッチプレー形式で行われます。※リーグ戦とは大学対抗の団体戦のことです。
ここでは関西1部で取られている形式を紹介します。
時間帯 | 午前中 | 午後 |
---|---|---|
形式 | シングルス(1人 対 1人 × 8組) | ダブルス(2人 対 2人 × 4組) |
ポイント | 勝利1Pt, 引分0.5Pt, 敗北0Pt | 勝利2Pt, 引分1Pt, 敗北0Pt |
勝敗決定方法 | シングルスとダブルスの合計ポイントで 大学 対 大学 の勝敗を決定 |
5日間かけて、関西1部の6大学が総当たりで対戦します。最終的に勝敗数とポイント数により大学の順位を決定します。
まとめ
マッチプレーのルールや用語の解説と、実際に採用されている試合の紹介を行いました。
ライダーカップ・プレジデンツカップは交互に毎年テレビで観られます。
用語やルールを理解するとより一層楽しめると思うので、是非見てみてください。
備考:マッチプレーの状況の例
Hole | Aさん | Aさん目線での状況 |
---|---|---|
1 | 〇 | 1Up |
2 | – | 1Up |
3 | × | A.S. |
4 | × | 1DOWN |
5 | 〇 | A.S. |
6 | – | A.S. |
7 | 〇 | 1UP |
8 | 〇 | 2UP |
9 | – | 2UP |
10 | – | 2UP |
11 | 〇 | 3UP |
12 | × | 2UP |
13 | – | 2UP |
14 | – | 2UP |
15 | – | 2UP |
16 | – | アップドーミー(勝てば3&2), 2UP |
17 | 〇 | ドーミーホール, 3&1でAさんの勝利 |
18 | PASS | 決着済 |
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